トップ > コラム > 収納スペースの面積比率について考える。本当に必要な収納スペースとは?

 

収納スペースの面積比率について考える。

本当に必要な収納スペースの広さとは?

 住宅という建築物を見た場合、断熱性や広さといった建築物のハード面が快適さに重要な位置を占めていると思いますが、使い勝手というソフト面から見た場合、「収納」に対する考え方が快適さにつながる重要なポイントになると考えています。

 今回はそんな収納スペースについてです。収納スペースに対する大きさ、位置といったハード面での考え方は使い手のライフスタイル(生活習慣)に大きく関係するため、万人に共有できる決まり事、つまり正解は存在しません。

 

 ここでは収納に対してどのような考えを持てばよいのかを記していきたいと思います。


これまでの日本の住宅の考え方は?

 収納についての話の前に、これまでの日本の住宅計画について軽く触れておきたいと思います。

 

 日本の住宅計画のあり方は近世の伝統的な農家や町屋(時代劇に出てくるような家)に始まり、近代以降に「食寝分離」が論じられ実践されてきました。

 かつての日本の住宅では、ちゃぶ台や布団等をもちいて「食べる・寝る」が大きな一つの空間で行われてきました。

 

 近代から現代にかけ「室」という考え方が浸透し、これまで一つの空間で行われてきた行為が「リビングルーム」「ダイニングルーム」「ベッドルーム」という「部屋」ごとに用途を持たせ、分けられてきたという歴史的な経緯があります。

 

 快適な生活を送るためには「生活行為を部屋で分ける」という考え方があったわけです。

 

収納スペースの重要性とは?

 さて、収納に関してもこれまでは押し入れとタンスという考え方から、より造り付けの収納の重要度が増し、部屋として収納を設ける例などが出てきました。さらに、現代の日本ではよりライフスタイルが多様化し、住宅にも多様性が求められるようになってきています。

 

 ライフスタイルの多様性に対応するためには収納に対する考え方が非常に重要になっているといってもよいでしょう。

 

 使い手の趣味に対応するために、たとえばスキーやゴルフクラブ、サーフボード、ギターを複数所持している場合などはそれ専用の収納スペースが必要ですし、書籍やトイ、衣類の蒐集のためにはやはり専用のスペースが必要です。

 

 また友人などを自宅に招くにあたり、それ相当の収納スペースに片付けなければいけません。

 

一般的な収納スペースは建物全体の面積の10~20%

 前項でいくつか例を挙げました。これらはそれぞれ異なる広さの収納スペースが必要で、冒頭で述べたように決まった広さやルールがあるわけではありません。

 

 ですが、一般的に収納の大きさ(収納の面積比率)には目安があります。それは建物の全体の面積(延べ面積)の10~20%といわれていて、その半分程度を造り付けの収納(押し入れ、クローゼット等)、残りの半分を家具(本棚やカップボード、シェルフ等)にすることが望ましいといわれています。

 

 具体的に見ていきましょう。8畳(畳については…)の和室に対して1畳の押し入れを設けた場合、1.65㎡(1畳)÷ 13.2㎡(8畳)= 0.125 つまり 12.5%の収納の面積比率となります。

収納の比率例

8畳の洋室に対し2畳のウォークインクロゼットを設けた場合は、3.31㎡(2畳)÷ 13.2(8畳)= 0.250 つまり 25%の収納の面積比率となるのです。

収納の比率例

 このように各部屋に収納を設けた場合でも、廊下や階段など住宅には収納が設けづらい場所が少なからず存在するため、建物全体としての収納面積の比率は少し低下します。

 

 繰り返しになりますが、これは一般的な指標によるものなので20%でも収納しきれない場合や、そもそも一般的な大きさの収納には入らないものがある場合が往々にして起こりえます。

 

ご自身のライフスタイル(生活習慣)を見つめることが大事

 千差万別の収納スペースの考え方に対しての答えは、「自分自身を見つめること」です。

 

自身のライフスタイルを見つめ、何を収納しなければならないのか?それはどのくらいの量があるのか?食器は?衣類は?今はどのくらいの収納スペースがある場所に住んでいるのか?それは足りているのか?収納物に関しては一覧表をつくっておくとわかりやすいと思います。

 

 可能であれば近い将来どのようなモノが増える予定なのかをおさえておくとよりベターです。

 

(最終更新日 2018/04/23)

(作成日 2014/10/1)

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